マンション購入後に毎年かかる税金
固定資産税と都市計画税の基礎知識と軽減制度
所有後のランニングコストとして重要な固定資産税と都市計画税の算出方法や軽減措置を説明します。
まとめ
- マンションを購入すると、毎年「固定資産税」と「都市計画税」が課されます。
- 固定資産税は評価額×1.4%、都市計画税は×0.3%が基本で、土地・建物それぞれに課税されます。
- ただし、新築住宅には3〜5年の減税措置、土地には住宅用地特例(最大1/6)があり、実際の負担は軽減可能です。
- 中古マンションでも耐震・省エネリフォームなどを行えば減税が受けられる場合もあります。
- 購入時にはローンや管理費だけでなく、これらの所有後の税コストを考慮することが、無理のない資金計画のポイントです。
購入して終わりではない“マンションの維持コスト”
マンションを購入した後、住宅ローンや管理費・修繕積立金だけでなく、毎年必ず支払う必要がある税金が発生します。
それが、
- 固定資産税
- 都市計画税
の2つです。
これらは「所有しているだけ」で課税される税金であり、毎年1月1日時点の所有者に課税通知が届きます。
この記事では、それぞれの税金の内容・計算方法・軽減制度をわかりやすく解説します。
固定資産税とは? 建物と土地にかかる「所有税」
固定資産税の基本
固定資産税は、土地や建物を所有している人に対して毎年課税される地方税です。納税先は市区町村で、その年の1月1日時点で登記上の所有者が納税義務者になります。
たとえ引っ越しや売却をしても、1月1日時点で所有していた人がその年の納税者になるので注意が必要です。
固定資産税の税率
全国一律で 1.4%(標準税率)。ただし、市区町村の判断でこれを下回る税率を設定している場合もあります。
固定資産税の計算方法
課税対象となるのは、土地・建物それぞれの「固定資産税評価額」です。
【計算式】
固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 1.4%
評価額は、市区町村が3年ごとに見直しを行います。新築時は建築コストよりも安く評価される傾向があり、おおよそ 新築価格の60〜70%程度 が目安です。
支払い時期
固定資産税は年1回まとめて、または4期に分けて支払います。(4月〜6月ごろに納税通知書が届きます)
| 納付期 | 時期 | 備考 |
|---|---|---|
| 第1期 | 4〜6月頃 | 通知書到着時に納付 |
| 第2期 | 夏〜秋 | 自動引き落とし可 |
| 第3期 | 秋〜冬 | 各自治体により異なる |
| 第4期 | 翌年1〜3月頃 | 年内納付も可能 |
都市計画税とは? インフラ整備に使われる「地域税」
都市計画税の概要
都市計画税は、市街地の整備や道路・上下水道・公園などの公共施設整備に充てられる税金です。市街化区域内の土地・建物に対して課税されます。
つまり、同じ23区内でも都市計画区域外の土地なら非課税になることもあります。
都市計画税の税率
標準税率は 0.3%(上限)。自治体によって0.25%前後に設定している地域もあります。
【計算式】
都市計画税額 = 固定資産税評価額 × 0.3%
固定資産税との違い
固定資産税は「資産を所有すること」への課税、都市計画税は「公共インフラの恩恵を受けること」への課税。
そのため、同じ評価額でも、都市計画税は固定資産税よりも軽い負担になります。
税額の具体例
たとえば、評価額3,000万円のマンションを所有している場合(東京23区内・標準税率で試算)
| 税目 | 税率 | 税額(概算) |
|---|---|---|
| 固定資産税 | 1.4% | 42万円 |
| 都市計画税 | 0.3% | 9万円 |
| 合計 | 約51万円/年 |
→ 評価額は築年数や立地によって異なるため、実際は年間20〜40万円前後のケースが多いです。
軽減制度(新築・中古共通)
マンション購入者には、いくつかの軽減措置が用意されています。
新築マンションの固定資産税減額
新築住宅(居住用)に対しては、3年間(3階建て以上の耐火建築物は5年間)、固定資産税が1/2に軽減されます。
【適用条件】
- 床面積 50㎡〜280㎡
- 住宅部分に限る(共用部は対象外)
【軽減内容】
固定資産税(建物部分)のみ半額
→ 土地部分は別の特例(後述)
土地の軽減措置
マンション敷地の土地部分にも軽減があり、「住宅用地特例」として、
- 小規模住宅用地(200㎡以下) → 評価額の1/6
- 一般住宅用地(200㎡超) → 評価額の1/3
と大幅に軽減されます。
つまり、マンションの土地共有持分にもこの特例が適用されるため、実際の税負担は想像より軽くなります。
長期優良住宅・耐震改修などによる減税
・耐震改修を行った場合 → 翌年度の固定資産税を1/2減額(最大3年)
・バリアフリー改修 → 最大100㎡分が1/3減額
・省エネ改修 → 最大1/3減額
リノベーションを行う際にこれらの条件を満たせば、中古マンションでも軽減を受けられます。
固定資産税評価額の見方と注意点
評価額は市場価格と異なる
固定資産税評価額は「売買価格の7割程度」が目安。実勢価格とは異なり、土地や建物の材質・築年・面積などをもとに算出されます。
評価額の確認方法
毎年届く「納税通知書」に記載されています。また、市区町村の資産税課で閲覧・証明書を取得することも可能です。
リノベーションした場合の注意
大規模な間取り変更や床暖房設置など、評価額に影響する工事を行った場合、翌年度から評価額が上がる可能性があります。
施工後に「固定資産税評価の見直し」が入るケースもあるため、リノベ時には税負担もシミュレーションしておくと安心です。
納税を忘れないための工夫と節約のコツ
納付書の管理
固定資産税・都市計画税は年1回送付されるため、紛失しがちです。
・銀行口座引き落とし
・クレジットカード払い
・PayPayやLINE Payでの電子納付
などを活用し、支払い漏れを防ぎましょう。
節税の考え方
これらの税金は「完全な固定費」ですが、住宅ローン控除やリフォーム減税などの制度と組み合わせることで、実質負担を抑えることができます。
所有後のランニングコストを理解して購入判断を
マンション購入時に意外と見落とされるのが、この「固定資産税・都市計画税」という所有後のランニングコスト。
ローン返済や管理費に加え、毎年20〜40万円前後の税金が継続的に発生します。
しかし、税金は“維持のためのコスト”であると同時に、街のインフラや資産価値を支える仕組みでもあります。
軽減制度を活用しつつ、無理のない支払い計画を立てておくことが、長期的に安心して暮らすための第一歩です。



