共働き世帯のマンション購入シミュレーション!
ペアローン・収入合算ローンのメリット・注意点
共働き世帯が当たり前になってきている点と、働き方改革で女性も仕事を長期で継続しやすくなった点、そして不動産価格の上昇。こういった条件が揃ってきたため、ペアローンや収入合算ローンを選ぶ人が増えてきました。
メリットも多くありますが、デメリットもあります。ペアローンと収入合算ローンの違いも含めて理解しておきましょう。
まとめ
- 共働き世帯のマンション購入では、夫婦の収入を合算して借入額を増やす「合算ローン」や「ペアローン」を利用するケースが増えています。
- これにより、より良い立地や広さの物件が選べ、住宅ローン控除も2人分適用されるという大きなメリットがあります。
- 一方で、収入減や離婚・病気などのリスク時には返済負担が重くなるため、返済比率25%以内の計画が重要です。
- 団信(団体信用生命保険)の保障範囲や諸費用負担、持分割合を事前に確認することで、共働きの強みを活かした安全な住宅購入が可能になります。
共働きが当たり前の時代、「夫婦合算」が主流に
近年、共働き世帯の増加により、夫婦で住宅ローンを組むケースが一般的になっています。
国土交通省の調査によると、新築マンション購入者のうち約6割が共働き世帯。
背景には、
・物件価格の上昇(都心部では5,000万円超が平均)
・低金利の長期化
・女性の社会進出と収入安定
などがあり、夫婦で収入を合算してローンを組むことで、より良い立地・広さ・築年の物件が選べるようになっています。
しかし、合算ローンには大きなメリットがある一方、注意すべき「落とし穴」も存在します。
本記事では、合算ローンの仕組み、種類、シミュレーション、そして失敗を防ぐコツまで解説します。

共働き世帯の住宅ローンには3つのタイプがある
共働きでローンを組む場合、仕組みは大きく3種類に分かれます。
| ローンタイプ | 仕組み | 主な特徴 | 主な金融機関 |
|---|---|---|---|
| 収入合算型(連帯保証型) | 夫婦の収入を合算し、主債務者が返済。配偶者は連帯保証人。 | 手続きがシンプル。名義は1人。 | 多くの銀行で対応 |
| ペアローン型 | 夫婦それぞれがローンを契約し、双方が債務者。 | 住宅ローン控除が双方で適用。共有持分比率に応じて組む。 | 主要メガバンクなど |
| 連帯債務型(フラット35など) | 夫婦で1本のローンを共同返済。 | 団信加入や返済割合設定が柔軟。 | フラット35対応機関 |
一般的には「ペアローン」と「収入合算型」が主流です。それぞれの特徴とメリット・デメリットを把握して選びましょう。
合算ローンのメリット:2人の力で“より良い家”を実現
借入可能額が大幅に増える
夫婦の収入を合算することで、借入上限が単独ローンの約1.5〜2倍に。
| 世帯年収 | 単独ローン(年収×6倍) | 合算ローン(年収合計×6倍) | 借入可能額差 |
|---|---|---|---|
| 夫:600万円 | 約3,600万円 | – | – |
| 妻:400万円 | – | 合計約6,000万円 | 約2,400万円増 |
たとえば都内新築マンション(価格5,500万円)を購入する場合、夫単独では難しいケースでも、夫婦合算なら購入可能になります。
税制優遇(住宅ローン控除)が2人に適用できる
ペアローンを組めば、夫婦それぞれに住宅ローン控除(年末残高の0.7%×13年)が適用。
たとえば2人のローン残高が各2,500万円なら、年間控除額は約35万円×2人=最大70万円の税軽減効果があります。
住宅購入の選択肢が広がる
・都心アクセスの良いエリア
・子育てに適した広さ
・築浅・駅近など資産性の高い物件
共働きだからこそ、将来売却しても価値が落ちにくい資産性の高い物件を選びやすくなります。
合算ローンのデメリット・注意点
片方の収入が減ると返済が厳しくなる
出産・育休・転職などで一時的に収入が減少した場合、返済負担が家計を圧迫する可能性があります。
→ 対策:ローン契約時に「返済比率25%以内」に抑えるのが目安。
離婚・死亡時のリスク
ペアローンや連帯債務型では、どちらかが返済不能になってももう一方に返済義務が残ります。特に離婚時には、住宅の名義・持分・返済分担が複雑化します。
→ 対策:契約前に「持分割合」や「返済割合」を明確にしておくことが重要です。
団信(団体信用生命保険)の範囲に注意
・ペアローン:双方がそれぞれ団信加入可能
・収入合算型:主債務者のみが団信対象
つまり、収入合算型で配偶者に万一のことがあっても、返済免除の対象外になる場合があります。
手続き・諸費用が倍になるケースも
ペアローンでは、
・契約書(印紙税)
・登記費用
・保証料
・事務手数料
が2人分必要になります。そのため、単独ローンより10〜20万円ほど初期費用が高くなるのが一般的です。
実際の返済シミュレーション
例:夫600万円・妻400万円(年収合計1,000万円)の場合
・借入額:合計6,000万円(夫3,600万円+妻2,400万円)
・金利:変動0.5%
・返済期間:35年
| 借入額 | 月々返済額 | ボーナス返済なし |
|---|---|---|
| 夫 3,600万円 | 約9.2万円 | – |
| 妻 2,400万円 | 約6.1万円 | – |
| 合計 | 約15.3万円 | – |
単独ローン(3,600万円)であれば約9万円の返済が限界ですが、合算ローンなら6,000万円まで借入可能で、より良い立地・広さのマンションが視野に入ります。
合算ローンを組むときのチェックリスト
- 返済負担率は年収合計の25%以内
→ 無理のない家計運営を維持。 - 団信の保障範囲を確認
→ 夫婦どちらが対象か必ず確認。 - 共有名義・持分割合を明記
→ 後のトラブル回避。 - 諸費用は2人分発生する可能性あり
→ 契約前に総費用を試算。 - 将来のライフイベントを織り込む
→ 出産・転職・教育費など。 - 固定金利 or 変動金利を比較検討
→ 将来の金利上昇リスクを考慮。

ケース別おすすめローンタイプ
| 世帯の状況 | おすすめローンタイプ | 理由 |
|---|---|---|
| 共働き・夫婦とも正社員 | ペアローン | 控除×2+高借入額が可能 |
| 主債務者の収入が安定 | 収入合算型 | 手続きが簡単・諸費用が少ない |
| 共働き+固定金利希望 | 連帯債務型(フラット35) | 保証範囲が広く、完済まで金利一定 |
夫婦間のトラブルを防ぐ3つのポイント
- 家計の透明化
→ 収入・支出を共有し、ローン返済と生活費を明確に分ける。 - 持分割合を明文化
→ 出資額・返済額に応じて法的に記録しておく。 - 万一の保険加入
→ 片方の死亡や病気時に返済不能を防ぐため、団信や生命保険を補完的に利用。
共働きの力を活かすには“慎重な計画”が鍵
共働きでのマンション購入は、
・より良い立地・広さの物件を選べる
・住宅ローン控除がダブルで使える
という強力なメリットがあります。
しかし一方で、
・離婚・病気・出産などで返済バランスが崩れるリスク
・諸費用や団信範囲の複雑さ
といった注意点もあります。
「今買える額」ではなく、「将来も返せる額」で組む。
これが共働き世帯のローン成功の条件です。
ペアローンや収入合算型の仕組みを正しく理解し、家計の将来像をシミュレーションしたうえで契約すれば、共働きの強みを最大限に活かした“無理のないマンション購入”が実現します。



