住宅ローンのボーナス払い繰り上げ返済は得?
住宅ローンの返済方法を比較して解説
住宅ローンはボーナス払いをすべきか、繰り上げ返済をすべきか、均等払いをし続けるべきか、払い方に関するベストな方法は何か?それぞれの視点から分析します。
まとめ
- 住宅ローンのボーナス払いは、毎月の返済負担を軽くし、高額物件を購入しやすくする利点がありますが、ボーナス減少や景気変動で返済リスクが高まる点がデメリットです。
- 一方の繰り上げ返済は、早期に元金を減らして利息を大幅に削減できるため、総支払額を抑える効果が大きく、老後の負担軽減にもつながります。
- 目的別に選ぶのがポイントで、月々を楽にしたい人はボーナス払い、完済を早めたい人は期間短縮型繰り上げ返済が有利。
- 両者を組み合わせることで、効率的で無理のない返済計画が実現します。
住宅ローンの返済は「選び方」で総支払額が変わる
住宅ローンの返済は、単に「毎月返す」だけではありません。
返済の方法には「毎月均等返済」「ボーナス併用返済」「繰り上げ返済」などがあり、その選択次第で総支払額に数十万円〜数百万円の差が出ることもあります。
この記事では、ボーナス払いと繰り上げ返済の仕組みをわかりやすく整理し、「どちらが得か?」「どんな人に向いているのか?」を比較しながら解説します。
住宅ローンの返済方法の基本
住宅ローンの返済方法は、大きく次の3つに分類されます。
| 返済方法 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 元利均等返済 | 毎月の返済額が一定。返済初期は利息が多い。 | 安定した家計を重視する人 |
| 元金均等返済 | 毎回の元金返済額が一定。初期負担が大きい。 | 収入が多く、早期完済を目指す人 |
| ボーナス併用返済 | 毎月返済に加え、年2回ボーナスでまとめて返す。 | ボーナスが安定している会社員 |
現在は約9割が「元利均等返済」を選択していますが、ボーナス併用や繰り上げ返済を上手に組み合わせることで、総支払額を抑えることが可能です。
ボーナス払いとは?仕組みとメリット・デメリット
ボーナス払いの仕組み
住宅ローンの「ボーナス払い(ボーナス併用返済)」とは、毎月の返済に加えて、年2回(夏・冬のボーナス時)にまとまった金額を返済する方法です。
【例】3,000万円を借入(35年・金利1.0%)
- 毎月返済:8万円
- ボーナス月返済:+20万円(年2回)
→ 年間総返済額:8万円×12+20万円×2=136万円
ボーナス返済分を設定することで、毎月の返済負担を抑えることができます。
ボーナス払いのメリット
- 毎月の返済負担を軽減できる
→ 家計管理がしやすく、毎月の生活費に余裕ができる。 - 高額な物件を購入しやすくなる
→ 審査上の返済負担率が下がるため、借入可能額が増える。 - 収入が安定している会社員には有効
→ 大手企業・公務員など、ボーナスが確実に支給される人向け。
ボーナス払いのデメリット
- ボーナス減少リスク
景気変動や転職、育休などでボーナスが減ると、返済不能リスクが高まります。 - 実質的な利息負担が増える
ボーナス分は返済時期が遅いため、利息が多く発生します。 - 繰り上げ返済の柔軟性が下がる
毎月・ボーナスの二重管理が必要で、資金繰りが複雑になることも。
特に近年は「ボーナスカット」や「業績変動」が増えているため、ボーナス払いに依存する返済計画はリスクを伴います。

繰り上げ返済とは?仕組みと効果を理解する
繰り上げ返済の基本
繰り上げ返済とは、予定より早く元金の一部を返済する方法です。これにより、利息の計算対象となる残高が減り、総支払額を減らす効果があります。
繰り上げ返済には2種類あります。
| タイプ | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 期間短縮型 | 毎月の返済額はそのまま、返済期間を短縮 | 総利息を大きく減らせる |
| 返済額軽減型 | 返済期間は同じで、毎月の返済額を減額 | 家計の余裕を確保 |
シミュレーション例
(35年ローン・3,000万円・金利1.0%)
| 条件 | 返済期間 | 総支払額 | 利息削減効果 |
|---|---|---|---|
| 繰り上げなし | 35年 | 約3,495万円 | – |
| 期間短縮型(100万円繰上) | 約32年 | 約3,380万円 | 約115万円削減 |
| 返済額軽減型(100万円繰上) | 35年 | 約3,420万円 | 約75万円削減 |
ポイント:繰り上げ返済は「早い時期に・期間短縮型」で行うほど効果が大きいです。
繰り上げ返済のメリット
- 利息負担を大幅に減らせる
→ 金利が低くても、長期ローンでは総利息が数百万円規模。早期返済が有利。 - 返済期間を短縮できる
→ 老後前に完済でき、心理的な安心感も大きい。 - 将来的な支出の自由度が増す
→ 教育費・リフォーム費などの資金を計画的に準備できる。
繰り上げ返済のデメリット・注意点
- 手元資金が減る
→ 生活防衛資金がなくなると、病気・リストラ時に危険。 - 住宅ローン控除の対象残高が減る
→ 控除を受ける期間(13年)までは、急ぎすぎると損になることも。 - 手数料がかかるケースも
→ 一部銀行では、窓口手続きや少額繰上げに手数料(5,000〜1万円)を設定。
ボーナス払い vs 繰り上げ返済:どちらが得か?
| 比較項目 | ボーナス払い | 繰り上げ返済 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 毎月の返済負担を軽くする | 総支払額を減らす |
| 利息軽減効果 | 少ない | 大きい |
| 柔軟性 | 低い(固定返済) | 高い(自由なタイミング) |
| リスク | ボーナス減少・転職 | 資金枯渇・控除減少 |
| 向いている人 | 安定収入の会社員 | 貯蓄が安定・返済意欲が高い人 |
結論:
「返済額を抑えたい人」はボーナス併用もあり。
「総支払額を減らしたい人」は繰り上げ返済が圧倒的に有利です。
ボーナス払い+繰り上げ返済を組み合わせる戦略
実は、「ボーナス払い」と「繰り上げ返済」を併用するのが最も効果的です。
・ボーナス月に返済+繰り上げ(期間短縮型)を毎年行う
→ 月々の負担を抑えつつ、総利息を減らせる。
ポイント
・ボーナスの一部を貯蓄し、翌年繰り上げ返済に回す
・控除期間(13年)終了後に繰上げを加速
・ライフイベント(教育・車・老後)とバランスを取る

無理のない返済計画を立てるための3つのコツ
- 返済負担率25%以内を厳守
→ 家計の安定を保ちながら返済。 - 繰り上げ返済の“最適タイミング”を見極める
→ 住宅ローン控除終了後(13年以降)に行うと効率的。 - ボーナス返済分は控えめに設定
→ 年収の20%以内を上限に。
将来のボーナス変動にも耐えられる余裕を。
目的別に使い分けるのが最も賢い返済方法
| 目的 | おすすめ返済方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 毎月の返済負担を減らしたい | ボーナス併用返済 | 毎月の支出を抑えられる |
| 総支払額を減らしたい | 期間短縮型繰り上げ返済 | 利息削減効果が大きい |
| 家計に余裕を持ちたい | 返済額軽減型繰り上げ | 無理のない返済継続 |
| 安定収入・堅実派 | 固定金利+繰り上げ | 金利変動の影響を最小化 |
「ボーナス払い」は返済を楽にする手段、「繰り上げ返済」は返済を早く終わらせる手段。目的を明確にして上手に組み合わせることで、無理なく効率的にローンを完済できます。



