エレベーター・給湯器・配管の寿命を知る

エレベーター・給湯器・配管の寿命を知る
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設備の耐用年数一覧と交換費用ガイド

マンション建物内の主要設備として、エレベーター、給湯器、配管の寿命がどの程度あるかを知っておきましょう。

エレベーターは共有部、給湯器は専有部(自分の部屋)、配管は共有部、専有部の相互に絡むものですが、専有部内は漏水事故が起こると所有者の責任になる事もあります。

つまり、給湯器と室内の配管は古すぎると故障や漏水のリスクを負う事になるのです。少しマニアックなテーマですが、何もしらずに給湯器も配管も一切更新されていない古いマンションを購入すると購入後に痛い目にあいます。ここで、基本的な知識を抑えておきましょう。

  • マンション設備の寿命は構造よりも短く、定期更新が資産維持の鍵です。
  • 給湯器は約10〜15年、配管は25〜40年、エレベーターは25〜30年が耐用年数の目安。専有部内の不具合を放置すれば漏水や故障、損害賠償リスクが発生します。
  • 更新費用は給湯器1戸あたり15〜30万円、配管更新は棟全体で数千万円規模になるため、修繕積立金をしっかり蓄積させておく事が必要です。
  • 大規模修繕と連動した計画的な更新により、安全性・快適性・資産価値を長期的に守ることができます。

建物は「設備」から老いる

マンションやビルの価値は、築年数や外観だけでなく、設備の健康状態によって大きく左右されます。

外壁や屋根も劣化しますが、目立たずに劣化をしていくのが、給湯器・配管・エレベーターなどの「ライフライン設備」です。

これらの寿命を正しく把握し、交換のタイミングを逃さないことが、快適な生活と資産維持の鍵になります。

「まだ動くから大丈夫」と放置した設備ほど、故障時には想定以上の費用とトラブルを招きます。

設備ごとの耐用年数と交換費用一覧表

設備名一般的な耐用年数主な劣化サイン交換・更新費用の目安(工事費込み)
給湯器(ガス)約10〜15年お湯がぬるい、異音、エラー表示15〜30万円(エコジョーズは高め)
給湯器(電気・エコキュート)約10〜15年沸きムラ、貯湯タンク漏れ30〜50万円
給水管(専有部)約25〜35年赤水、詰まり、水圧低下20〜40万円/戸
排水管(専有部)約25〜35年異臭、詰まり、漏水25〜50万円/戸
共用配管(立管・横管)約30〜40年全体的な漏水・腐食数百万円〜数千万円(棟全体)
エレベーター(制御盤更新)約20年動作不良、ドア開閉遅延約500〜1,000万円/基
エレベーター(リニューアル)約25〜30年騒音、停止トラブル約1,000〜2,000万円/基
防犯カメラ約10年画質低下、映らない約10〜30万円/台
オートロック制御盤約15〜20年認証エラー、反応遅延約50〜100万円(共用)

給湯器の寿命と交換の目安

■ 寿命のサイン

  • 給湯温度が安定しない
  • 「ピッ」という異音や点火不良
  • エラーコード(例:111、611など)が頻発
  • リモコン表示が消える

これらの症状が出たら、交換のタイミングです。給湯器は10年を超えるとメーカー部品の供給が終了するため、修理よりも交換を選んだほうが確実です。

給湯器は共有部の設備ではなく、専有部の設備として決められているマンションが多いです。そのため、給湯器の故障は各世帯の負担で交換や修理を手配する必要があります。

共有廊下やベランダに面していても給湯器は共有部ではなく専有部の施設となる

費用と種類の違い

種類特徴交換費用
従来型給湯器一般的なタイプ約15〜20万円
追い焚き機能付きファミリー向け約20〜25万円
エコジョーズ省エネ型。排熱再利用約25〜30万円
エコキュートオール電化向け約35〜50万円

築20年超のマンションでは、機器の老朽化+配管劣化が同時に進むことが多く、給湯器交換時に配管の点検もおすすめです。

配管の寿命と交換のタイミング

配管の材質と耐久性

材質特徴耐用年数備考
鋼管(鉄管)錆びやすい。築30年以上に多い約20〜25年赤水・漏水リスク高
銅管腐食に強いが継手が弱点約30年水圧に注意
塩ビ管(VP/HIVP)軽量・腐食しにくい約30〜40年温度変化にやや弱い
架橋ポリエチレン管(樹脂管)最新主流。柔軟で長寿命約40〜50年耐熱性・耐薬品性◎
塩ビ管を使っていない配管は劣化が進行しているケースが多い

劣化のサイン

  • 水道水が茶色い(赤水)
  • 水圧が弱い
  • 床下や壁の湿り、カビ臭
  • 排水時の異臭・ゴボゴボ音

これらは配管内部の錆・腐食・閉塞が進んでいる証拠です。また、建物内のどこかの部屋で漏水事故等が起き始めたら交換のサインをはるかに過ぎて劣化が進んでいる可能性があります。

費用感と工事方法

範囲方法費用目安
専有部内床下・壁内を新管へ更新約20〜40万円
共用部(縦管・横管)棟全体の交換・更新数百万円〜数千万円
更新時期築30〜40年で一斉更新が主流管理組合による

配管は「見えない劣化」が最も多い部分。築年数が経つほど、共用部と専有部の連携点検が重要になります。

エレベーターの寿命とリニューアル費用

寿命と交換の目安

エレベーターは20年を超えると制御盤・モーターの故障が増え、25〜30年で全面リニューアルの時期を迎えます。

更新内容寿命費用特徴
制御盤・操作盤更新約20年約500〜1,000万円電気制御系を刷新
全面リニューアル約25〜30年約1,000〜2,000万円カゴ・モーター・ドアも更新

最新型の特徴

  • 地震感知・自動着床機能
  • 停電時の非常運転(バッテリー走行)
  • 省エネインバーター制御
  • デザインLED照明・静音ドア

リニューアルにより、安全性・快適性・省エネ性が大きく向上します。補助金制度(自治体・エネルギー効率改善)を活用できる場合もあります。

設備更新のベストタイミングと優先順位

建物全体の修繕周期(12〜15年ごとの大規模修繕)と合わせて、設備の更新計画を立てるのが理想です。

優先順位設備更新周期備考
給湯器10〜15年故障=生活に直結
配管25〜35年漏水事故防止
エレベーター制御盤20年安全性・停止対策
全面リニューアル(EV)25〜30年長期計画に基づく
防犯・通信機器10〜15年技術進化に合わせ更新

設備更新にかかるトータルコストの考え方

設備更新は「コスト」ではなく“資産維持のための再投資”です。

例:築30年・50戸のマンションの場合

  • 配管更新(専有+共用):約3,000〜4,000万円
  • エレベーターリニューアル:約1,500万円

→ 合計:約4,500万円〜5,500万円規模

仮にこの程度の投資で済むのであれば、新築に建て替えるよりもはるかに安く、住民負担を分散しながら資産価値を守る事ができます。

更新を怠るとどうなる?

  1. 給湯器:冬場に突然故障し、生活が数日止まる。
  2. 配管:漏水で下階への損害賠償が発生。修繕費+補償金が必要。
  3. エレベーター:長期停止・閉じ込め事故・点検費高騰。

さらに老朽設備が残るマンションは、住宅ローンの銀行審査でも不利になるケースがあります。

設備の寿命を知ることが「建物を守る第一歩」

建物の構造体は50年以上もちますが、給湯器・配管・エレベーターといった“内臓”は定期交換が必須です。

設備寿命更新目安備考
給湯器10〜15年不調時に即交換快適性・安全性直結
配管25〜40年大規模修繕と同時に漏水防止
エレベーター25〜30年制御盤→全更新へ安全性・バリアフリー対応

築年数が古くても、設備を更新すれば快適に再生できる。逆に、設備を放置すれば“見えない老朽化”で資産価値は急落します。

「あと何年使えるか」ではなく、「いつ更新するか」を意識することが、これからのマンション管理に求められる視点です。

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