「RC造・SRC造・鉄骨造」マンション構造の違いとは?
耐震性と防音性も変わる?その違いを知っておく
マンションの構造の中でRC(アールシー)といった用語をたまに聞いた事があるかもしれません。主要構造が鉄骨中心(S造=エスゾウ)、コンクリート中心(RC造=アールシーゾウ)、鉄骨とコンクリートのハイブリッド(SRC造=エスアールシーゾウ)の3種類があります。
それぞれに違いがありますので、メリットデメリットも含めて理解をしておきましょう。
まとめ
- マンションの構造は主にRC造(鉄筋コンクリート造)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)、鉄骨造(S造)の3種類に分かれます。
- RC造は防音・耐火・耐震性に優れ、最も一般的な中層マンション構造。SRC造は鉄骨の強度とコンクリートの堅牢さを併せ持ち、高層マンションに多く採用される最上位構造です。
- 鉄骨造は軽量で建築コストが低い一方、音や振動が伝わりやすく耐用年数も短めです。
- 静音性・耐久性・資産性を重視するならRC造またはSRC造が理想的な選択といえます。
マンションの住み心地は「構造」で決まる
マンションを購入・賃貸する際、「RC造」「SRC造」「鉄骨造」といった建物構造の表記を見かけます。
しかし、それぞれの構造がどのように違い、住み心地や安全性にどう影響するのかを明確に理解している人は意外と少ないでしょう。
建物の構造は、地震時の揺れ方や防音性能、さらには資産価値にも関係する重要な要素です。
RC造(鉄筋コンクリート造)・SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)・鉄骨造(S造)を、
耐震性・防音性・コスト・住み心地の観点から比較・解説します。
RC造 最も一般的なマンション構造
■ 構造の特徴
RC造(Reinforced Concrete)とは、鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造です。鉄筋が引っ張る力に強く、コンクリートが圧縮に強い性質を持つため、お互いの弱点を補うことで高い耐震性・防火性・遮音性を発揮します。
■ 耐震性
コンクリートが揺れを吸収し、構造全体で地震エネルギーを分散するため、中層マンション(5〜10階程度)に最も多く採用されています。ただし、重い構造のため揺れの「周期」が長く、高層建築にはやや不向きとされます。
ただし、最近ではコンクリートの性能が上がっており、高層建築においてもRC造を用いられる事も多くなりました。
■ 防音性
RC造は壁・床スラブが厚く、質量が大きいため遮音性が非常に高いのが特徴です。特に空気音(テレビ・話し声・外部騒音)に強く、SRC造と並び静かな住環境を実現しやすい構造です。
■ コスト・耐用年数
建築コストは高めですが、耐用年数は約47年(法定耐用年数)。実際には適切に修繕・管理されれば60年以上の使用も可能です。
SRC造 高層建築の主役
■ 構造の特徴
SRC造(Steel Reinforced Concrete)は、鉄骨の骨組みの周囲を鉄筋コンクリートで包み込んだ構造です。RC造の堅牢さに、鉄骨の強度としなやかさを加えたハイブリッド構造といえます。
■ 耐震性
SRC造は日本でもタワーマンションや高層ビルで多く採用されています。骨格となる鉄骨が地震の「しなり」に対応し、外側のコンクリートが「圧縮・変形」に強いため、高い耐震性・耐火性を両立できます。
特に地震国・日本では、SRC造は最も安全性が高い構造の一つとして評価されています。
■ 防音性
RC造と同等か、それ以上に遮音性が高く、重量のある床・壁が音の伝達を抑えます。外部騒音や上下階の生活音が伝わりにくく、静かな住環境を求める人に最適です。
■ コスト・耐用年数
構造が複雑なため、建築コストは最も高く、工期も長い傾向にあります。ただし耐用年数は長く、60〜80年程度の実用寿命を持つケースもあります。資産価値が維持されやすいのもSRC造の特徴です。
鉄骨造― 軽量・低コストだが遮音性に注意
■ 構造の特徴
鉄骨造(Steel Structure)は、鉄骨フレームで建物を支える構造です。主に「軽量鉄骨造(厚さ6mm未満)」と「重量鉄骨造(厚さ6mm以上)」に分かれます。一般的な低層マンション(3〜5階程度)や賃貸アパートに多く採用されています。
■ 耐震性
鉄骨は軽量で柔軟性があるため、地震の揺れを吸収しやすいという利点があります。ただし、構造体の「接合部」や「溶接部」の品質管理が重要で、錆びや劣化が進むと耐震性能が低下する恐れがあります。
■ 防音性
鉄骨造はRC造・SRC造と比べて構造体が軽く、音が伝わりやすい点が弱点です。特に軽量鉄骨造は、
・隣室のテレビの音
・上階の足音やドアの開閉音
などの衝撃音・空気音の伝達が起こりやすい傾向があります。対策としては、二重床・二重天井・防音マットなどを追加するリフォームが有効です。
■ コスト・耐用年数
建築コストが安く、施工期間も短いのが最大のメリット。ただし法定耐用年数は軽量鉄骨造で19年、重量鉄骨造で34年と短めです。ただし、個人宅を兼ねて自社ビル等で使用するにはコスト面でも優れた工法とも言えます。

3つの構造を「耐震性」「防音性」「コスト」で比較
| 項目 | RC造 | SRC造 | 鉄骨造 |
|---|---|---|---|
| 耐震性 | 高い(中層向け) | 非常に高い(高層向け) | 中程度(低層向け) |
| 防音性 | 高い(厚いスラブ構造) | 非常に高い(重構造) | 低い(軽量構造) |
| 耐火性 | 高い | 非常に高い | 低〜中程度 |
| 建築コスト | 中〜高 | 高 | 低 |
| 工期 | 標準 | 長い | 短い |
| 法定耐用年数 | 約47年 | 約47〜60年 | 27〜38年 |
| 向いている建物 | 中層マンション | 高層・タワーマンション | 小規模マンション・アパート |
RC・SRC造は防音・耐震に優れる一方でコストが高く、鉄骨造は建設コストが低く軽量だが、防音と耐用年数で劣るというバランスです。
構造による「住み心地」の違い
構造の違いは単に安全性だけでなく、日常生活の快適性にも影響します。
■ RC・SRC造の住み心地
- 室内が静かで外部騒音が少ない
- 振動が少なく、上階・下階の音が気になりにくい
- 室温が安定しやすく、省エネ効果が高い
■ 鉄骨造の住み心地
- 軽量で通気性が良い反面、音や振動が伝わりやすい
- 冬場は結露が発生しやすい(断熱性が低い)
- メンテナンスを怠ると錆びや腐食が進行するリスク
特に防音性・断熱性を重視するならRC造以上がおすすめです。
構造は「資産価値」にも直結する
構造の違いは、将来的な売却・ローン審査・資産評価にも影響します。
- RC造・SRC造は耐久性が高く銀行の評価も安定
- 鉄骨造(特に軽量)は法定耐用年数が短く、融資期間が短くなりやすい
- 高層RC・SRCマンションは中古市場でも価格維持率が高い
つまり、「構造がしっかりしている=将来の資産リスクが少ない」ということです。
構造選びのポイント
| ライフスタイル | おすすめ構造 | 理由 |
|---|---|---|
| 長期的に資産形成を考える | SRC造・RC造 | 耐久性・防音性・融資評価が高い |
| 費用を抑えて所有・賃貸経営をしたい | 鉄骨造 | 建築コストが低く、初期投資を抑えられる |
| 駅近・都心高層マンション志向 | SRC造 | 高層構造に最適。地震にも強い |
| 静かに暮らしたい・防音重視 | RC造 | 厚いスラブで生活音を最小限に抑える |
構造の違いを理解して「長く快適に住める家」を選ぶ
マンション選びにおいて「構造」は、見た目や間取り以上に快適性・安全性・資産性を左右する最重要要素です。
- RC造:防音性・耐久性に優れた標準構造
- SRC造:耐震・防音・資産性すべてに強い高級構造
- 鉄骨造:軽量・低コストで初期費用を抑えたい人向け
安さよりも「静けさと安心を買う」のがマンション構造選びの基本です。
長く快適に住み続けたいなら、RC造またはSRC造を第一候補にするとよいでしょう。



