マンションとアパートの違い。実は知っているつもりかも。構造以外の違いも知っておこう。

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マンションとアパートは建物の構造の違いだけではない、大きな違いがある。

2025年10月8日の日経新聞の記事に物価高からマンションではなく、賃料が安いアパートが再注目されているという記事が出ました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL079620X01C25A0000000/

そもそも、マンションとアパートの違いは何でしょうか?なんとなく「木造がアパート?」、「しっかりしてそうな建物がマンション?」くらいのイメージかもしれません。

将来的な資産性や管理方法も大きく異なるので、一度、マンションとアパートの違いについて頭を整理しておきましょう。

まとめ

  • 一般的にマンションはRC(鉄筋コンクリート)やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)構造の3階建て以上の中高層建物を指し、防音・耐震・耐火性に優れています。
  • 一方、アパートは木造や軽量鉄骨造が多く、2階建て程度の低層住宅が中心で、家賃は比較的安く初期費用も抑えやすいのが特徴です。
  • マンションは管理会社によるメンテナンスやセキュリティ設備が整っており、快適性と安心感が高い反面、共益費が高めです。
  • アパートは個人オーナー管理が多く、設備や防音性は劣る場合もありますが、短期居住や単身者に人気です。
  • アパートは個人オーナーが1棟で保有しているケースが多いため、専有区分の1戸ごとに分譲される事はあまりありません。
  • 結論として、構造・防音性・家賃・管理体制・資産性といった要素を比較し、自分のライフスタイルや優先順位に合わせて選ぶことが大切です。

意外と知られていない「定義の違い」

「マンションとアパートの違いって何ですか?」多くの人がこの質問に戸惑います。実は、日本の法律には、マンションとアパートの明確な定義は存在しません。

建築基準法や宅建業法などの法令上、どちらも「共同住宅」として同一に扱われます。つまりこの違いは、不動産業界や建築業界での“慣習的な区別”にすぎません。

ただし、実際の暮らしや資産価値の面では明確な差があり、それがマンション・アパートという呼び分けにつながっています。

構造・階数による区分

マンションとアパートで最も一般的な違いと認識されているのは「構造材」と「階数」です。

比較項目マンションアパート
構造RC造(鉄筋コンクリート)またはSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)木造または軽量鉄骨造(S造)
階数3階建て以上が多い2階建て以下が中心
防音・耐震性高い低め(新築で改善傾向)
建築コスト高い低い
火災・地震への強さ非常に高い構造により差あり

つまり、コンクリート造で中高層=マンション、木造で低層=アパートという区分です。

都市部では高さ制限や防火規制の影響で、3階以上の建物はRC造になることが多く、自然と「マンション」と呼ばれるケースが増えています。

防音性・断熱性・セキュリティ

構造の違いは、日々の暮らしの快適性に直結します。特にマンションは防音性が高いという認識をされています。

マンションの特徴

  • 壁・床・天井が厚く、上下階や隣室の生活音が響きにくい
  • 断熱性能が高く、冷暖房効率が良い
  • オートロック・宅配ボックスなどセキュリティ設備が充実
  • 管理会社や管理組合による維持管理が行き届いている

アパートの特徴

  • 木造の場合、足音・話し声・ドア音が響きやすい
  • 断熱性が低く、夏は暑く冬は寒い傾向
  • 個人オーナー管理のため、設備や修繕対応に差がある
  • 家賃は安く、単身者や学生が住みやすい

快適性・静粛性・安全性を重視するならマンション、コスパと手軽さを重視するならアパートが向いています。

家賃・管理費・維持コストの違い

マンションは建築費・維持費が高いため、家賃・管理費もアパートより高めです。

項目マンションアパート
家賃高め(RC造で建設費が高い)安め(木造中心)
管理費・共益費高い(清掃・防犯・エレベーター維持)低い(共用部が少ない)
光熱費断熱性が高く抑えやすい冷暖房効率が低い場合も

一方でアパートは共用設備が少なく、家賃と維持コストを抑えやすいのが魅力。ただし、築年数が経過すると劣化や老朽化が目立ちやすい点には注意が必要です。

「開発・所有構造」の違い

ここがもっとも重要なポイントです。マンションとアパートでは、誰が建て、どのように所有されるかが根本的に異なります。

マンション:分譲前提の資産型住宅

マンションは、大手デベロッパー(例:野村不動産、三井不動産、長谷工など)が開発し、1戸ずつ分譲して販売します。購入者はその1戸を区分所有し、共用部分(エントランス・廊下など)は管理組合が共同で保有します。

そのため、マンションは「住む」と同時に「資産として保有できる」住宅です。将来的に売却・賃貸・相続など、個人資産としての運用が可能になります。

アパート:一棟保有の収益不動産

一方アパートは、個人投資家や法人オーナーが一棟を丸ごと建設・所有し、複数の入居者に貸し出す「収益物件」です。各戸分譲されることはほとんどなく、オーナーが家賃収入を得ることを目的に保有する投資用不動産です。

したがって、

  • 自宅としての資産形成 → マンション
  • 賃貸収益を得る投資目的 → アパート

    という構図になります。

災害・防災性能の比較

構造の違いは防災性能にも反映されます。

比較項目マンション(RC/SRC)アパート(木造・鉄骨)
耐震性高いやや劣る
耐火性コンクリートで燃えにくい木造は延焼しやすい
台風・地震時揺れにくい軽量のため揺れやすい

防災性・安全性を優先するなら、やはりマンションが優位です。一方で、木造アパートは修繕がしやすく、建て替えコストも低いため、資産運用の観点では柔軟性があります。

居住者層とライフスタイルの違い

  • マンション:ファミリー層・共働き世帯・子育て世代が中心。
     「長く住む」ことを前提に設計され、防音・セキュリティ・管理体制を重視。
  • アパート:学生・社会人・単身者など短期入居者が中心。
     初期費用を抑え、数年単位で住み替える層に人気。

近年は「ハイグレードアパート」や「デザイナーズマンション」など、中間的なポジションの物件も増えています。

マンション・アパートの資産価値の比較

観点マンションアパート
資産性高い(分譲・売却可能)一棟単位で売却・相続
流動性高い(中古市場が活発)低い(投資家限定市場)
修繕管理組合で計画的に実施オーナーの裁量に依存
築年数後の価値保ちやすい下がりやすい(木造20〜30年)

マンションは「自宅=資産」として長期保有に向き、アパートは「一棟経営=事業」としての性質が強い。同じ集合住宅でも、資産の持ち方と出口戦略がまったく異なります。

どちらを選ぶべきか?

目的向いている物件
長期的に住みたい・資産として保有したいマンション
家賃を抑えて短期的に暮らしたいアパート
不動産投資・家賃収入を得たいアパート(1棟経営)
安心・静か・管理が行き届いた住環境がいいマンション

マンションとアパートは、見た目こそ似た集合住宅でも、構造・所有形態・資産性・管理体制が根本的に異なります。

マンションは「分譲による区分所有型の資産住宅」、
アパートは「一棟保有による収益型の投資不動産」。
住む・貸す・保有する――どの立場で関わるかによって選択が変わります。

住まいとしての安定と資産価値を求めるならマンション。
賃貸前提や、不動産投資を検討する投資ならアパート。

この構造的な違いを理解しておくことが、不動産選びにおいても重要な判断軸になります。

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