リノベーション工事の費用内訳解説

リノベーション工事見積書の基本構造
リノベーションにおける「見積り」や「費用の内訳」は、単に材料代と工賃を合計したものではなく、複数の項目に分かれて構成されています。工事項目やリフォーム内容によって異なりますが、共通して登場する代表的な内訳項目と、それぞれの意味・注意点を以下に詳しく解説します
見積書は通常、このような構成が多いです。
●仮設工事・準備工事
●解体・撤去工事
●本体工事(設備・内装)
●電気・水道などの付帯工事
●諸経費(管理費・運搬費・養生費など)
●消費税

◆ 項目別の内訳と説明
① 仮設工事・準備工事
- 養生費:既存の床や家具を保護するための養生材・設置作業、エレベーターや搬入経路等の共有部の養生も含まれます。
- 足場設置(外壁・窓などの工事):外壁塗装や窓交換では必須
?【注意点】:一見地味な費用ですが、安全・品質確保に必要不可欠。見積に入っているか要確認です。特に養生をしっかりやらないリフォーム業者は悪徳業者や低品質業者である可能性が高いので注意しましょう。
② 解体・撤去工事
- 既存設備の撤去(キッチン、浴室、床材など)
- 廃材処分費(産業廃棄物としての処理費用)
?【注意点】:撤去範囲が広いほど費用が上がります。また、古い物件ほど解体の手間や搬出の手間がかかるケースが多いので費用が高くなるケースが多いです。特に団地は階段のみでエレベーターが無いため搬出作業費が高くなります。
③ 本体工事(主要工事)
| 工事項目 | 内容例 |
|---|---|
| 大工工事 | 作業費+一部材料費 |
| 下地材 | 大工工事に必要な木材、石膏ボード等の材料費 |
| キッチン工事 | 本体価格+組立施工費(搬入、組立、接続など) |
| 浴室工事 | ユニットバス一式+設置費用+周囲の下地工事 |
| トイレ交換 | 便器代+取付費+内装工事(床・壁など) |
| 壁紙張り替え | 材料代(クロス代)+施工費(㎡単価で算出) |
| 床張り替え | 材料代(フローリング・CF等)+施工費(下地補修含む) |
| 建具交換 | 建具本体代(ドア・折戸など)+取付施工費 |
| 和室→洋室化 | 床・壁・天井・建具・収納の総合費用(複数工種が合算) |
?【注意点】:製品価格(本体)と施工費は分けて記載されることが多く、比較時はセット価格かを確認します。セット価格だと思っていたら製品価格のみであるケースも良くあります。特にメーカーのショールームで取る見積りは製品定価のみしか記載していないケースが多いです。
理由は施工価格は卸売り先の工務店が現地で見積りを取るのが通常のリフォーム業務の流れだからです。
④ 電気・水道・ガスなどの付帯工事
- 配管・配線の延長や移設
- スイッチ・コンセントの増設・移設
- 換気扇・ダウンライト・照明器具取付
- ガス接続や給湯管の移設(キッチン・浴室など)
?【注意点】:位置を変更する(例:トイレを別場所に移す)と付帯工事費が高額になる傾向があります。ガス工事に関しては一般的に地域のガス工事会社に依頼する商習慣があります。東京地域であれば東京ガスライフバルの指定店にガス工事は依頼します。
そのため、ガス工事の作業費に関しては事前に正確な見積りが難しいため、複雑な工事の場合は現地調査にガス会社も同席してもらうケースもあります。
⑤ 諸経費(管理費・運搬費など)
- 現場管理費:工事の段取り・職人の手配・進捗管理など
- 運搬費:設備や資材の搬入出
- 交通費・駐車場代(都市部ではかかることも)
- 工事保険料:損害賠償や事故防止のための保険加入費用
?【注意点】:全体金額の5%〜15%程度が目安。金額が「一式」としか書かれていない場合は内容を要確認。諸経費に関しては他のサービス業においては無い項目なので、諸経費自体の存在を否定的に考える人も多くいます。ですが、諸経費の実態は見積り時点で確定できない費用が主たるものであるケースが多いです。
例えば、駐車場代に関しては何日作業をするかは工事を始めてみないとわからないケースも多いです。現場監督が何日現場に入るかも明確には事前に決める事は難しいです。
そのため、決め打ちでこの日数なのでこの金額もらいますという書き方が出来ないのです。あまりに法外な諸経費であれば指摘をした方が良いですが、一般的な基準の範囲内であれば必要な経費として理解して問題ないです。
⑥ 消費税
- 見積に税込み/税別が明記されているかをチェック
- 100万円を超える工事では消費税10%で10万円以上の差が出ることもあります。必ず確認をしましょう。消費税に関しては口頭で概算の見積もり額を聞く際に特にトラブルになりがちです。一般的には施工する側は税抜きで伝える傾向があります。
作業費を職人と交渉する際に税抜きで話す事が多いため、その金額にリフォーム会社の利益を乗せた価格をお客さんに伝えます。すなわち、税抜きの原価に税抜きの利益を乗せるので、税抜きの客出し価格を伝えるわけです。
悪意はなく税抜きで伝えていた価格が税込みと後でわかりトラブルになる事が多いのです。口頭で概算金額を聞く際には必ず一言「税込みですか?」と確認をしましょう。
◆ よくある「一式」表示の注意点
「キッチン交換工事 一式 120万円」などのように、「一式」と書かれた見積もりは、内容が不明瞭なことが多く注意が必要です。以下の点を必ず確認しましょう:
- 「どこまでが含まれているか?」(設備本体+取付費+付帯工事?)
- 「内装の復旧費用は含まれるか?」(壁紙・床の補修など)
- 「メーカー・グレード・型番は明記されているか?」
わかりやすい区別の方法としては作業は「一式」表記をせざるを得ない物が多いです。注意すべきは材料と作業を合算で一式と記載しているケースです。きちんと、材料と作業費を分けて記載してもらうように事前に伝えた方が良いです。
ただし、内装工事のうち、特にクロス工事やクッションフロア工事等の貼り物系の工事は一般に、材工(材料+作業費)合算で価格を出します。理由は材料の単価が安いためそれほど材料に利益を乗せる事もできないため、法外な高い見積りを出す不正があまり起きないからです。
また、合算で出した方が見積書を作る手間が省けると言う点もあります。そのため、あまり細かく材料と作業費に分けて記載させると、リフォーム会社の手間が増えて見積りが出てくるのが遅くなる可能性もあります。
目安としてはキッチンやユニットバスや大工工事のような単価の高い工事はしっかりと材工で分けて記載を依頼すると良いでしょう。
◆ 相見積もり時の比較ポイント
相見積もりの場合、全く同じ書式で見積りが出されてくることはありません。また、同じ内容で作成してほしいと言っても会社ごとにコスト計算の方法が異なるため、難しいケースが多いです。
そのため、相見積もりの内容を比較したい場合は自分で、材料や作業費を整理しなおして比較していく必要があります。ユニットバスであればどのメーカーのどのような品番なのか、ユニットバスの作業費であればどこまでの範囲の作業費なのか、等を比較していきます。
もちろん、完全に一致させて比較させるのは難しいですが、他社と比べていちじるしく高い材料費や作業費に関してはある程度、比較する事ができます。また、費用をまるめて「一式」で記載したがる不明瞭な業者もこの比較をすることで明らかになります。
材料の見積もりを見るにあたり注意点としては、同じメーカーの同じ商品名の商品でもグレードが異なるケースがある点です。同じ商品名であっても型番までしっかりと見る事と、しっかりとした業者はカタログやプランシートといった参考となる資料を添付してくれるので、そういった付帯資料もしっかり確認しましょう。
よくあるケースとしては、キッチンに食洗機が付いているか否か、ユニットバスに浴室乾燥機が付いているか否かです。いずれもキッチンやユニットバスの商品名は同じで、なおかつ、品番も同じケースがあります。違うのは付属設備として食洗器や浴室乾燥機が付いているかいないかの違いなのですが、見積書にも記載がなく、付帯資料にも記載がないとわかりません。
そういった誤解がお互いにないように、見積内容で不明な箇所は積極的に質問をしましょう。

メーカー名と品番は「LIXILリノビオP」と記載されていて、カタログ資料も添付されていた。だが、この資料だけでは、本当に希望した設備が全て入っているかわからない。

付帯資料の2枚目に付属備品の明細カタログがあるので、水栓の形や浴室乾燥機があるのかなど、自分が希望した浴室の仕様になっているかを確認しておく。
金額が安くても設備のスペックが少なければ同じメーカーの同じ商品。例えばここではリノビオPであっても、大きな価格差が付く。安くても思っていた仕様の商品ではない場合があるので注意をして比較しましょう。
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