不動産売却 賢い家の売り方
物件売却の契約と引き渡し

不動産売却の「引き渡し」完全ガイド
物件の売却申し込みが入ったら、その後は売却契約から引き渡しまでは1.5ヶ月~3ヶ月程度のスケジュール感で進みます。スケジュールを把握しておき、必要書類の不足等のトラブルを回避するようにしましょう。
引き渡しとは?いつやる?
- 定義:引き渡しとは、残代金の受領・登記手続き(所有権移転/抵当権抹消)・鍵と関係書類の受け渡しを同じ日にまとめて行い、買主へ所有権と占有を移す一連の手続きです。多くのケースで「残金決済日=引き渡し日」として設定します。
- 時期の目安:売買契約から約1.5~3か月後に設定するのが一般的。買主の本審査~融資実行、売主の転居準備、登記書類の整備に要する期間を見込むためです。
ポイント:買主が住宅ローンを使う場合、融資実行日=決済=引き渡しが原則運用。売主がローン残債を完済し抵当権を抹消、同時に所有権移転登記を司法書士が申請します。
引き渡し日をどう決める?
- 契約書へ明記が理想:トラブル回避のため、決済・引き渡しの期日を契約書に記載。ローン事情等で変動しうる場合は、変更時の取扱いを条文化しておくのが安全です。
- 決済日と引き渡し日をズラす場合:売主の転居都合等で猶予を設けるなら、決済と引き渡しを別日にできる特約を必ず書面化。その間の権利関係・占有・損害負担・保険・使用料(賃料相当)の扱いを明文化してリスクを抑えます。
- 遅延リスク:期日超過で引き渡せないと違約金(売買代金の5~20%目安)等のリスク。遅延は買主側に転居費用等の実害を及ぼすため、事前に余裕ある日程設定と変更時の書面合意が必須です。
引き渡しまでに「売主がやること」チェックリスト
金融機関・司法書士の段取り
- 自ローン残債の精算:残金で一括返済→抵当権抹消。事前に銀行へ「売却で完済・抹消」連絡を入れ、必要書類(抵当権解除書類・委任状等)を準備。抹消&移転は同日同席の司法書士が取り扱うのが一般的です。
- 司法書士へ依頼:書類チェック~当日立会い~申請まで一任でき、報酬相場は3~5万円前後(物件や手続きの難易度で変動)
書類・鍵の準備
- 権利証(登記識別情報)/実印・印鑑証明(発行3か月以内)/本人確認書類/住民票(必要時)/固定資産税関係書類。
- 建築確認/検査済証(戸建)/測量図・設計図/設備の保証書・取説/マンションの管理規約・総会資料。
- 鍵の本数を全て確認(合鍵含む)、領収書・引渡確認書の用意。
測量・境界・解体(該当物件)
- 実測売買/公簿売買の別を契約で確認。実測売買なら境界立会いを伴う測量を引き渡し前に完了させ、価格精算ルールを共有。公簿売買でも境界不明確なら専門家に調査依頼を。
- 更地引渡し条項がある場合は、解体工事を引き渡し日までに完了(天候・地形等で遅延しやすいので早めに発注)。
住み替え・退去の実務
- 原則「空家渡し」(居住用)。繁忙期は引越し手配が取りづらいので早期予約を。賃貸中なら退去合意・日程調整を売買契約の条件として管理。
重要:売主は引き渡し日までは物件の管理責任と、税・光熱費の負担を負います。
引き渡し当日の流れ
- 本人確認・書類最終チェック(売主・買主・司法書士)
- 買主のローン実行(融資入金)
- 固定資産税等の精算(年税を日割り等で計算)
- 領収書の発行(残代金・清算金)
- 仲介手数料の支払い
- 司法書士報酬の支払い
- 売主ローン残債の返済(同日)
- 抵当権抹消登記の申請(司法書士)
- 鍵・関係書類の引渡し(引渡確認書を交付することも)
- (該当)売却益の確定申告(翌年)
――という順で、通常は金融機関の応接室等で1~2時間程度で完了します。
固定資産税に関しては、原則売主は物件を引渡す前日までの分の固定資産税を負担し、買主は、引渡日以降の固定資産税を負担します。
持ち物リスト—売主編
- 実印・印鑑証明、本人確認書類、通帳・キャッシュカード、銀行届出印
- 権利証(登記識別情報)、住民票(必要時)
- 抵当権抹消の関係書類・委任状(金融機関発行)
- 建築関係書類・測量図・設備保証書・取説・管理規約
- 鍵(合鍵含む全本数)・引渡確認書、仲介手数料・司法書士報酬の支払準備
――不足があると手続きが止まるので、1週間前に“ダブルチェック”を。
契約条項・特約で“事故”を防ぐ(重要)
- ローン特約:買主の本審査否決で契約解除(白紙)となる条項。ローン承認前に大きな費用や解体に着手しない—という運用の合理性もここにあります。
- 決済=引き渡しの原則/例外(猶予特約):別日運用は必ず書面化し、占有・保険・損害負担・使用料の扱いを明確に
- 違約金・遅延:5~20%目安の違約金レンジが契約実務で用いられます。期日管理は担当者と逆算表で
引き渡し後の責任・トラブルを最小化する
- 契約不適合責任(旧:瑕疵担保):契約と異なる状態で引き渡した場合に売主が負う責任。期間・範囲は契約で特定し、付帯設備表・物件状況報告書で現況を正確に引き継ぐのが鉄則。免責特約の可否・範囲は個別合意で決まります(黙秘・不告知は不可)。
- 危険負担(天災等):改正民法では売主に帰責事由がなくても、天災で目的物の引渡しが不能なら買主は解除可能とされる運用が一般的。地震・火災等の不測事態にも備え、保険・条項確認を。
ケース別の実務
居住中→空家渡し
- 引越しは前倒しで完了させ、清掃・残置ゼロの状態に。繁忙期はトラック確保が難しいので、1か月以上前に予約が安心です。
マンション売却
- 管理組合への届出・承認書類(引越し作業日の申請、管理規約・細則の引継ぎ)。総会資料・修繕履歴も買主へ。
土地売却(実測売買)
- 測量士/土地家屋調査士の手配、近隣立会い日程の確保、境界標の復元等を前倒しで。境界不明確は後紛争の火種です。
更地渡し・解体付き
- 天候等で遅延しがち。ローン承認→工期着手の順で。解体完了証・滅失登記の準備を忘れずに。
よくある質問(FAQ)
Q1. 引き渡し日と決済日を分けたい(売主の都合)。可能?
A. 可能ですが、特約の書面化が必須。占有・損害負担・保険・使用料・鍵管理など権利義務の割当を明記し、トラブルを防ぎます。
Q2. 期日に間に合わなかったら?
A. 違約金(5~20%目安)や損害賠償リスク。早期の工程表化と変更時の合意書で回避を。
Q3. 当日の「必要書類」は何をそろえればよい?
A. 権利証(登記識別情報)/印鑑証明・実印/本人確認/抵当権抹消書類、買主へ渡す建築・測量・設備・管理関係書類、鍵全本数、各種精算書・領収書がが基本です。
Q4. 税や光熱費の扱いは?
A. 固定資産税は日割り等で精算するのが一般的。その他細目の負担は合意によりますが、売主負担を基本とする運用が多いです。
Q5. 天災で引き渡せなくなったら?
A. 改正民法の考え方により、売主に過失なくても解除可能とされる条項運用が一般的。契約条項と保険の事前確認を。
逆算スケジュール例(契約→引き渡し)
- 60~45日:買主本審査申込→工程表共有/売主は銀行・司法書士へ事前連絡
- 45~30日:必要書類の収集/測量・解体の手配(該当)
- 21~14日:精算表・残高証明確定/鍵本数・引継資料の最終確認
- 7日:当日の持ち物チェック/振込限度額・口座準備
- 0日(決済=引き渡し):①本人確認②融資実行③精算④領収⑤報酬支払⑥残債返済⑦抹消登記⑧鍵・書類引渡し⑨登記申請⑩完了後の書類受領(1~2週間目安)
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